嫁に来ないか

ミニコミ雑誌「嫁に来ないか」の編集長のブログです。

小説「ボッカとロッカ」毎朝7時更新!

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次に難易度の低い体操着袋作りに着手。
長方形に布を切って、巾着袋を作り、名前をつける。
簡単なはず、簡単なはず。唱えて、よし、と、IKEAで購入したピンクとグレーの縞の布に、定規を当てる。
ところがどういうわけか、長方形がちゃんと描けない。
ううむ?と首をひねり、指南書のはじめのページのあたり、裁断の注意点を見てみると、「きちんと製図して、布にそれをうつして、裁断しましょう」と書いてある。
ただの真四角なのに…?といぶかしみながらも、まあじゃあそうしますか、と、製図用に購入したトレーシングペーパーを持ち出す。ところが、やはりさきほど布にひいた時と同じく、真四角が描けない。むしろ縞のガイドがなくなった分、更に困難なことに。ううむ、と再び唸る。もしかして分度器が必要とか…?インターネットで「製図 四角 描けない」と検索してみると、「方眼製図紙」なるものが存在することを知る。その方眼製図紙か、方眼用紙を用いると四角いものは簡単ですということなので、さっそく駅近くの手芸店に電話をして取り扱いを確認。自転車を走らせすぐ戻り、再び製図。升目に定規を当てて切るだけなので、先ほどまでのとんちのような作業が嘘のようにすぐに終る。なんと便利なんだ、方眼!切り取って、布に当て、待ち針を刺して線をひき、布切りばさみを入れて行く。ざくっと布を切る音、その感触。懐かしい。普段ウエスを作ることしか使われない布切りはさみも張り切っている。

 その後の作業は、もう、必死だ。縫い代の三つ折りを何度も間違える。いやそれどころか、はじめは三つ折りの指示自体がよくわからなかった。目、肩、腰が全て痛いし恐ろしく冷える。縫って、折って、アイロンをかけて、また縫って、紐を通して(「紐通し」の便利さときたら!)、紐止めの玉をつけ、名前テープをアイロンでつけて、その当て布が冷えるのを待つ間、あ、そうだ、せっかく夜更かししているなら、ラジオを聞けば良かったのに、と時計を見上げた。作り始めてから4時間がたっていた。
何度か触って当て布が冷えたのを確認し、ぺりぺり剥がす。

できた。
…できた!!
私が!!
体操着袋を!!
自分の力で、作り上げたのだ!!

興奮して、そのへんに散らばっている娘の服を詰め、紐を引っ張って閉じてみる。すごく固い。大人の私でも力いっぱい引っ張らないと閉じない…。やはりあの「体操着袋用」の紐では太かったか。はたして娘はこれを開け閉めできるのだろうか…。深夜2時。ことさら無音がこたえる。

けれども!と、顔をあげ、iPhoneで写真を撮ると、猛然とFacebookにアップした。すると、深夜2時にもかかわらずまだ働いていた友人が一人、すぐに「いいね!」ボタンを押してくれた。嬉しかった。違う惑星の人とたった一度交信できたような、自己満足というよりは、そんな小さく強い嬉しさだった。