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嫁に来ないか

ミニコミ雑誌「嫁に来ないか」の編集長のブログです。2015年おはぎ号(無料!) noteにて発売中!

3/1

翌朝、目が覚めるとiPhoneにFacebookのアラートがいくつも表示されていた。いかに私が家庭科的な面でダメだったかをよく知る旧友らが、私の作業を讃え、また、アドバイスしてくれていたのだった。
リビングに降りて行くと、娘が体操着袋を抱えて出迎えてくれた。袋の開け閉めを練習していたらしい。「ごめんね、固いでしょう」と言うと、娘は「いいんだよ」と言い、夫が「練習すればいけそうだったよ」と口添えをした。

すっかり自信をつけた私は、よし、もういっちょ、と作業に取りかかった。体操着袋は2〜3枚、同じ布で作る決まりがある。作業手順はもう頭に入っているから〜と鼻歌まじりに進め、裁断をして、はたと気がついた。型紙に、縫い代が含まれていないことを。いや、それはわかっていた、だから、全ての辺に、縫い代の1cmを足して裁断したのだ、しかし、口の部分だけは3cm必要なのだ。2cm足りない。声が漏れる。これだから私は。なにが作業手順は頭に入っている、だ。思い上がりも甚だしい。いや、落ち込んでいる暇はない。試しに足し布をしてやってみよう、と、2cmの帯を作ってつなげてみる。底が足した部分だと強度に不安があるから口部分にしよう。前回4時間かかったところ、2時間で作り終えた。口を絞ってみる。固くて全く動かない。大失敗だ。そこでわかった。この布、固いんだ。厚みがあって固いところを、足し布の縫い代が加算されてますます分厚くなったため、絞れなくなったのだ。

これで、布の残量的に、同じ布から3枚の袋を作ることは出来なくなった。
もう失敗は許されない。
今度は慎重に布を裁断する。次回からは、型紙に縫い代分も加えて作ろう。4時間、2時間、と短縮された時間は3枚目にして30分までに縮んだ。しかし、紐がなかなかうまく通らずに力まかせに引っ張ったら「ぬあ!!」という声と共に、紐の折り返し地点である部分が破れてしまった。布って破れるんだな、と思った。忘れていたよ、布、自分の手で破ったこともあんまりないし…。しかし落ち込んでいる暇はない。私はもう、布の残量的に前に進むしかないのだ。
名前テープをつけて、とりあえず、出来た。補修は後ですればいい。なんなら穴が空いていた方が絞りやすいかもしれないし…。

お雛様を出すために開けたスペースに体操着袋二つを並べた。隣に桃の花が生けてあるので、ふたつの袋がまるでお内裏様とお雛様のように見えた。いや、そんなことより明日にはお雛様を絶対出さなくてはならない。