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嫁に来ないか

ミニコミ雑誌「嫁に来ないか」の編集長のブログです。2015年おはぎ号(無料!) noteにて発売中!

3/8 その1

はじめてのミシン日記_幼稚園入園準備編

確定申告と花粉症で病院を巡っていたせいで、ミシンに触らない日々が続いた。合間、手芸屋をのぞいたものの、色々なことに決心がつかずに、今なお布を買いそびれている。

体操着袋を作った流れで、次は同じ巾着であるお弁当袋とコップ袋を作ろうとしていた。が、まだ布が決まりきっていなかったので、とにかく今持っている布でなにを作るかを早急に決める必要があった。
布博で購入した湊鼠色ベースで木々が点在している布を広げる。
娘が行く幼稚園にはお料理の授業があり、そのためのエプロンと三角巾(又は給食帽)が必要で、それ用に買ったはずの布だった。しかし、よく考えてみると、汚れるエプロンにこんなすてきな布を使うことはないのではないか。もっと汚れの目立たない、例えばIKEAの派手な動物柄のものをエプロンにして、この布は…木々の柄がお弁当袋だったらすごくかわいい。その中から銀色のお弁当箱とカトラリーがちんまり出てくるのだ。まるで森の小リスのお弁当のよう。うっとりする。しかし、それもお弁当の汁が染み出たら汚れる…。
毎回こんな堂々巡り。
しかし、ふと布を広げてみて気がついた。もしかしたら、エプロンを作っても、三角巾を共布にしなければ、お弁当袋とコップ袋が取れるのでは? このアイディアに、私の心は高鳴った。定規を当ててみるといけそうだが自分が全く信用ならない。
よし。私は決めた。とにかくこの布でエプロンを作ろう。だってぜったいかわいい。汚れてもかわいいしかわいくなくなったら、また、気に入った布で作ればいいではないか!だって私にはミシンがあるのだから!

私は新しいアイテムであるフリクションを手に取った。手芸屋で、製図におすすめとして売っていたのだ。シャープペーンシルや鉛筆を持たない私はそれまでペンタイプのチャコペンで製図もしていたのだが、真四角じゃなくなると間違う可能性も高いので、消せるボールペンであるフリクションを買った。使うのは初めてだ。指南書に付録されていた実物大の型紙にハトロン紙を乗せ、さっそくフリクションのペン先を出そうとするが、ノックする箇所を毎回間違えイライラする。どうも、頭部分がノック箇所だと思って指が探してしまう。そして初めての曲線。曲線部分は、どのように写し取るのが正解なのだろう?ゆっくりなぞっても、どうしても線が揺れてしまう。あまりに安定した線がひけないので、平常時、私の身体は揺れ続けているのではと不安になる。それでもなんとか製図し、切り取り、布に当ててチャコペンを引き、切り取る…。まちがいはないか慎重に確認し、すかさずお弁当箱とコップ袋の寸法を、布に当ててみる。全然いける。しかも三角巾も取れる。よし…よし、よし、よし! 小さくガッツポーズ。さっそくお弁当袋の製作に取りかかる。型紙を方眼製図紙で作り、お弁当袋の底の部分が輪の状態になるよう布を折り、型紙を当て待ち針で止め、はさみを入れる寸前で、いいよね、と、裏側を見てようやく私は気がついた。このまま作ると、巾着の反対側は、模様が逆さまになる。私は天井を仰いだ。そういうことだったのか。指南書や手芸店におかれているサンプルの柄が、やけに細かい花柄やチェック、上下いろいろな角度に点在する車などの絵柄のものだったのは、そういうことだったのだ。あー…。私の口から魂に似た何かが抜けていくのを感じた。しばし、フリーズして、のち、頭を振り、やれることからやろう、と、三角巾を切り取ることにとりかかった。なにかトラブルが起きたときは気持ちをすばやく切り替えて(むしろ気持ちなんかはOFFにして)、解決方法又は今真っ先にやれることをいかに迅速に探し出し組み立てられるかが大切なはず、どんな仕事であっても。仕事ではなくても。なにしろ働くお母さんが一人になれる時間は限られている。しかし、ああ、なにをどう間違えたのか、エプロンの部品である「当て布」をハサミで切ってしまう。思わず声が出る。もういや。なぜ、どうして、私は!修復が可能か試みたが、潔くもう2枚、残りの布から取ることにした。お弁当袋やコップ袋が取れなくなったって知ったことか。

さあどうする。エプロン、縫っちまうか?
む。と部品をつまみあげる。いや、これは今の生成りの糸ではなく、緑色か同系色の糸で縫った方が良さそうだ。そしてそれはこの家にはまだない。明日買いに行くとして、部品たちをマスキングテープでまとめる。もう絶対間違って切ることがないように、丁寧に選り分けておく。

そして、私は次に、連絡帳カバー作りに取りかかることにした。